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「母さんは隣町の出身だからな。そのくらいの事は分かるさ。」
そして明確な理由が存在した。
意外過ぎる!!
もっとそこら辺の事情ははぐらかすかと思っていたのに……
「じゃあ此処は母さんの地元みたいなもんなんだ。」
「そうでも無いのよ。ここら辺は隣町でも文化に大きな違いがあったりするから。全然違う訳じゃ無いし、来たこともあるから多少は知ってるんだけどね。」
「ふーん…でも、この町たいして会社無さそうだけど。父さんは何処で働くの?」
「父さんは隣町で働くんだよ。だからこの町で仕事する訳じゃない。」
「…………………………………」
慈馬の言葉に微妙な表情になる零慈。
「どうした?そんな不満爆発五秒前!みたいな顔して。」
「隣町で働くなら此処じゃ無くても良かっただろ!何でわざわざこんな山ん中の家にしたの!!?」
まあ、尤もな意見である。
確かに家は大きいし広い庭もあるが、交通のべんはかなり悪い。
しかし、都会の狭いアパート暮らしをしていた人にとっては、なかなか魅力的な物件に感じるのは確かだ。
と言うのも、この家築年数こそ20年と結構経っているが総敷地面積約60坪の木造二階建てで、一階は十五畳半の和室が2部屋、八畳の茶の間と座敷、二畳の物置に大人3人が入れる程の大きな風呂場と公衆トイレの様な広いトイレ。
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