第一章:世界の片隅の小さな幸せ

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「もう、エンタくんったら食いしん坊なんだから……。テトラくんも、いつまでも寝そべってないで早く起きなよ」 「うん」 ミリーに促されテトラはもそもそと身体を起こし、立ち上がる。 「わたしはもう顔洗ってきちゃったから。テトラくんも早くいっておいでよ」 「わかったー」 ミリーの脇をすり抜け廊下に出たテトラは、てとてとと洗面所へ走って行く。 ミリーはまるで手の焼ける弟を見るかのような微笑みを浮かべながら、その小さな背を見送った。
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