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体調がすぐれなかった私は畳の上で寝ていました。サングラスの男が家に来ても気づきませんでした。
私が目を覚ました時は、2人は隣の部屋でなにやら話をしていました。
ママは気まずそうに自分のお腹に手を当てました。サングラスの男は数秒間、制止したあと、ママのお腹に手をかざしました。2人は笑っていました。
しかしママは突然、私の方を指さしました。
サングラスの男がこちらを見ました。一瞬、眉をひそめたが、すぐににっこりと笑いました。
サングラスを外して私の前でしゃがみこむと、合掌しました。意外にも優しい顔をしていました。
「なにか食べたい物あるかい?」
「え? なんでも……いい」
「果物でいいかな? うん、そうしよう」
サングラスの男は果物を買ってきてくれたの。顔に似合わず優しい人だったのです。
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