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「流が帰ってくるから、その時に着ようかな・・・。」 どう?なんて尋ねてみる。 みるみるうちに、イチの顔から笑顔が消えていく。 「・・・やっぱり可愛くない。」 イチはそう言い捨てて、どこかに行ってしまった。 「は?え、ちょっとイチ?!」 独り取り残され、ポカーンとしている私に店員が話かけてきた。 それでようやく我に返った。 え?何?どうしたの? 意味がわからない。 途端に怒りが込み上げてきた。 私は急いで着替えて、商品を店員に返品し、イチを追いかけた。 「あいつ、何なんだ!」 ポケットからケータイを取りだし、電話をかける。 もちろんイチに、だ。 これで出なかったら「迷子のお呼びだし」を使ってやろう。 しかし、期待とは裏腹に、イチは3コール目で電話にでた。 くそう。
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