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「七星ー写真撮っていい?」 それと同時に、イチの顔が近づいてきてカシャッと機械音が鳴った。 「・・・何してんのかな?」 私は写真を撮られるのが一番嫌いだ。 しかも無断で撮りやがって。 「華姉から愛する七星の写真を撮ってこいとのお達しが。」 ほら、とケータイを見せてくる。 私はそれが本当にイチの姉、華姉だと確認すると、溜め息わ付いた。 「華姉じゃなかったら、肖像権侵害で訴えていたよ。」 「そんなに嫌い?」 イチはケータイを弄りながら尋ねる。 「ほら、写真って魂抜かれるって言うじゃん?」 これは、小学生より酷い言い訳。 「それ、いつの時代の都市伝説だよ・・・。」 「え?イチは信じてないの?」 「むしろ、七星はなんで信じてるの?」 イチは眉尻を下げ、いかにも「頭大丈夫?」と言いたそうな顔で私を観てくる。 やめて、冗談だから。
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