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買い物を終え、帰宅する。 イチの家で車を降りて、そこから歩いて自宅に向かっていた。 母に追加で頼まれたお酢が無駄に重い。 少しはしゃぎすぎたか。 怠い怠いとあ重いながら歩いていると、 「・・・・・・っ!」 不意に視界が真っ暗になった。 ビクッと肩を揺らす。 ちょっと、何・・・?! もしかして誘拐?! こんな田舎で?! しかし、その恐怖はすぐに消えた。 ふわり、と香る匂い。 「こら、イチ。」 この甘い香りはイチが付けている香水の香りだった。 「バレたか。」 「バレバレです。で、どうしたの?」 手ぶらということは、私が何か忘れ物をした訳ではないらしい。 「家に帰ったらメモが置いてあって、七星の家にいるからって。」 「うちに・・・?」 玄関の引き戸を引く。 カラカラと音と共に、視界に現れたのは無数のくつ、クツ、靴。 余りにも多くて、唖然とする。
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