3人が本棚に入れています
本棚に追加
窓を開けて出掛けなかったせいで、部屋はむーんと熱気が充満していた。
イチが窓を開けて、私がエアコンのリモコンを押す連携プレーは、ものの見事に決まった。
稼働の遅いおんボロエアコンが使い物になるまで、換気をするのだ。
窓辺の風鈴がチリンと鳴った。
「最後に会ったのいつだっけ?」
「確か、成人式にも帰って来なかったから一昨年の時じゃない?」
「えー?一昨年のは流が出る式典を見に行っただけで、会ってはないでしょ。」
「そうだっけ?」
流がいないことに慣れてしまっている自分に嫌悪する。
多分イチもそうだろう。
私たちは3人で1人だったのだ。
家族同士が仲良しだったこともある。
兄弟同士も、仲が良い。
私たちが出会ったことなんて、必然なのだ。
「・・・七星。何があっても、俺たちは親友だよね?」
いつの間にかイチはベッドに寝転んでいた。
私は窓を閉めた。
「当たり前じゃん。」
ほっとしたように、イチは笑った。
最初のコメントを投稿しよう!