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いてもたってもいられなくて、私は街灯の薄い道を駆け抜けた。 イチの家はうちの二軒先にある。 二軒と言っても田舎なので、距離的には300メートルある。 イチの家に着き、引き戸を開け「こんばんは」と挨拶すると、返事を待たずに上がり込みリビングへ顔を出した。 「おじゃましまーす」 「あら、ななちゃん。どうしたの?」 美人なイチの母が笑顔で迎えてくれる。 「イチに用事!どこにいる?」 居間をキョロキョロと見渡すが、イチはいない。 「壱琉なら、部屋にいるわよ。」 お礼を言うと、晩御飯を食べて行くよう誘われた。
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