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「ばっかじゃないの。本当にそこまで来ると救えないくらいばかだね」
「どうして?」
「は?どうしてだって?そんな夢物語存在しない。私は一度だってそんな人間なんて聞いたこともない」
「だから!私はいたことがあるから言ってんの!メリットばっかだって。楽しいことばっかだって。私が教えてあげようとしてるでしょ」
「あんたに教えられる。世間知らずの何も知らないあんたにね。笑わせる」
「経験したことないから、わからないんだよ」
ミリアは何も言わないで私を見た。
「どうしてそこまで私をその友達にさせたいの?」
「私が寂しいから」
「自己満足?結局そこまで言って自分の利益になることしか考えてない」
「そんなことない!だからミリアも楽しいって言ってるじゃん。友達になってみなきゃわかんない。じゃあ騙されたと思ってなってよ!」
「面白いのね、あなた」
「面白くったってなんだっていい。ミリアが幸せならなんだていい」
「あたしがいつ幸せじゃないっていった?私ね、別に不幸だとも思ってないし、悲しくもないのよね、残念ながら。それにどうしてあなたにそこまで心配してもらわなきゃいけないの」後から思い出すと、この時からだったんだって思う。
「ミリア、友達になろう」
私はまっすぐにミリアの目を見つめた。
ミリアは少し嫌な顔をしてから私から目を反らして、小さな声で呟いた。
「しょうがない。嘘だったら殺すからね。あんたがどうしてもっていうからなってあげるんだからね。勘違いしないでよね!」
そう言うと、ミリアは初めて微笑んだ。
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