勘違いしないでよね!

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オレンジ色だった空はもう真っ黒に変わっていた。 夜は凍える程寒かった。 「ミリアは家に帰らないの?」 もしかしたら失言だったのかもしれない。 「帰らないんじゃないの。帰れないの」 私はほっと息をついた。 「ばかね。私が家がないとでも思った?まあ、ないも同然なんだけれど」 「え…」 「コレを全部売るまで帰ってくるなと追い出された」 ミリアは手に持っていた袋を持ち上げる。 ガシャと音がした。 「そんな親が」 「いるの」 「じゃあミリアはずっとここで石を売ってるの?」 「そう。売る気もないけどね」 「えっ」 「ははは。あたしあなたのその顔が好き」 「はあ?」 ミリアは私のほっぺたをつまんで引っ張った。 「痛たたたた!」 ミリアは不気味に笑った。 最初会ったときには想像もつかない顔だった。 「痛っ!」 今までで最大級の痛みだった。 「ちょっと、つねられてるのに何ぼーっとしてるの」 「え」 「そういうつまらない奴にはこうだ!」 「いやあっ!やめて、やめてー!あはははっ、はあ。はあ!あー!」 ミリアは私のお腹をくすぐってきた。 私の弱点だった。 「このっ!」 私は仕返しにくすぐってやった。 「え…効かない!?」 「私こちょこちょなんて効かないの」 ミリアはにっこりと笑った。 「あ…や、やめてー!あー!あははっはははっ」 「やめない!」 少女は悪魔だった。
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