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東「若旦那、カレー専門店につきました」
鵺「待機だ、何かあったらすぐ連絡しろ。夢、行くぞ」
夢「え?はい」
車に出るご主人様が僕から離れてすぐはっとしてついていく。ぬいぐるみの専門店以外に入る初めての店にドキドキしながら、漂ういい香りにごくりと喉が鳴る。
「ようこそいらっしゃいました。二名様ですね。」
上着の服を一枚しか着てないのを気にしていないかのように席へと案内される途中、何人か椅子に座らず裸で四つん這いになっているのを見る。中には鎖もつけられている子もいる。男女関係なく。
あれは僕と同じ奴隷なんだと見ていてわかる。僕もああするべきなんだろうと思い、真似しようとしてご主人様に止められた。
鵺「真似しろなんて言ってないだろ。椅子に座れ」
夢「は、はい」
少し他の奴隷から視線を受け申し訳なかったけど、ご主人様が言うなら仕方ないと椅子に座る。
鵺「こんな場所で悪いな。後で服を買ってやるから、次行く時は普通の店に行こう」
夢「い、いえ…あの、服いいんですか?」
上着だけでも申し訳ないのに、服までもらえるなんて……。
鵺「ああ、俺は夢に普通の生活をしてもらいたいんだ。まぁ、家庭上普通から多少離れるが」
夢「普通の生活…」
そんなこと考えたこともなかった。ただただあれこれしたい夢だけばかり持って、普通の生活なんて……。
「ご注文はお決まりですか?」
鵺「ロースカツカレーの辛口、甘口1つずつ」
「え…お二人分でよろしいんでしょうか?」
鵺「あ?」
「ひ…っす、すみません!すぐお持ちします!」
店員さんが驚くのも無理はない。だって、まるで奴隷の僕の分まであるような言い方だった。周りを見ればただただ主人のカレーを見つめるばかり。お腹が鳴れば蹴られたりしている。
鵺「奴隷にするつもりはなかったが、早く夢を買い取れてよかった」
夢「?」
鵺「もし、俺じゃなかったらあんな扱いか、優しくはしてもらえてもあの豚みたいに性的なものをしつこく迫られてばかりの生活でもおかしくはない。あそことかな」
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