プロローグ

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家も学校も全部全部大嫌いだ。父親との二人暮らし、毎日暴力ばかりで嫌になる。終いには性的暴力まで。イカれてついに男好きにでもなったの?みたいな。 今の僕は中学2年生、どこもかしこも痣だらけで、それがなくなることはない。家では父が、学校ではいじめが人を呼ぶ。 性的暴力までにならないだけ、いじめはまだマシだから、学校には行ってる。家以外でサボればどうせ、父がそれを理由にいつも以上の性欲を出し切るだろう。 そんなのは嫌だ。まだ中にまで出されないだけいい。いや、それどころか挿入さえまだだ。ただお互いの自身をすりあわすだけ。たまに股の間に挟まれてやられるけど、穴が犯されるよりかはマシだと我慢するしかない。 どうせ逆らえない。僕は物心ついた時から母親はいないし、兄弟とかさえいるのかも知らない。ただ知るのは暴力という暴力だけ。顔に痣があっても、気にする人なんかいない。学校の先生だってみんな無視だ。 ただその中にも至福はある。勉強だ。授業中だけは静かで、勉強というものをただひたすらして痛いことも気持ち悪いこともない。 だけど、その至福さえなくなりそうだ。 「このガキを売るんだな?ちっ傷だらけじゃねーか」 「す、すみません!ですが、躾てはあるんでっ」 「どうせてめぇには払えねぇ額だろうよ。借金分働かせる。」 「おらっ!来い、ガキ!」 ヤクザの借金取り、毎日毎日来てようやく僕を売ることで決定したみたいだ。きっと、ヤクザが来なくなることで父は今までのストレスもなくなるんだろう。また、借金した時はわかんないけど。 ああ、僕ってこんなことだけのために生まれてきたのかな?
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