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-by.夢-
車で連れていかれた先はご主人様の屋敷ほどではないけど、似たような大きい和風の屋敷。僕はここに閉じ込められたりするんだろうか、なんてことを思うが、そうでもなかったらしい。
東「ここでお待ちください。泉様をお呼びしますので」
泉様?どうやら客室らしき場所に連れてこられたのは、知らない人が僕に用があるみたいだ。
だけど泉様なんて人は聞いた覚えがない。まぁ見たらわかるかもしれない。
そう思って待つこと数分。東さんが部屋に入って来たと思えば座り込み、何をしてるのか首を傾げそうになったところでもう1人の入って来た人物に驚いた。
夢「お兄ちゃん……?」
泉「久しぶりだな、弟。覚えていたのか」
夢「い、いや……夢で見たんです……」
泉「夢?それまでは忘れていたのか?」
夢「は、はい」
泉「そうか……。まぁいい、名前はつけてもらえたと聞いた。夢だな」
夢「わかりません…」
泉「わからない?」
夢「僕は奴隷です。だから、名前なんて……」
泉「なるほど……原因はそれか」
夢「?」
泉「奴隷意識をどうにかしないと、どうにもならないな」
夢「奴隷意識……?」
泉「ああ、夢が自分を奴隷だと思わないようにさせる必要がある」
夢「なんで……」
泉「弟2人の幸せのためだ。それに……俺のせいで2人は心に闇を背負ってしまったからな」
夢「え……?」
何を言っているんだろう?この人は……。
泉「さて、詳しい話はまたいつか。恐らく次男は……いや、水無月家は君を探している。見つかる前にどうにかしよう」
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