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泉「バカになんてしていない。だから今回を利用した。東は俺が、鵺燈がした監禁を心配して、監禁なんてものができないように俺を当主に仕立てあげようとしたんだろう?いや、そうすると思っていたんだな?俺が鵺燈に監禁させないよう当主になると」
東「…………」
泉「でも、結果は違う。鵺燈を呼び出したことで、東は夢を人質に当主関連の話もつけると思っていた。そして確認がてらにさっきの質問だろ?それで予想が違うことに気づいて、俺が当主になる気がないとようやく気づいた。違うか?」
東「ちくしょう!はめやがってぇ!」
泉「やっと本性を………」
東「なんならお前の大事なもん全部……!」
泉「!?………夢!」
夢を寝かせるのに用意した布団で寝ている夢に目掛けて下ろしてきたナイフを見て咄嗟に腕で庇う。
泉「ぐぁああぁっ」
東「は……はは……っバカじゃねーの?そんなに守りたいならこれも受けてみろよ」
何故出さないのか気になっていた代物がようやく東の内ポケットから出てきた。拳銃だ。
さすがにこんなもの受けきれないし、どこに撃たれるか確実にわかるわけがない。東はだんだん俺達から離れる。
距離をとって、さらに狙う場所を混乱させるつもりだろう。
バンッ
泉「あ゛あああっ」
仕方なく身体全体で抱き締めるようにして庇えば肩を撃たれる。
バンッバンッ
泉「う……か……っ」
1発、2発、容赦なく撃たれるがどれも俺に撃たれている。急所をうまく外されて。
東はとにかく完璧な存在として拳銃もうまい。つまり俺は遊ばれているのだろう。
それでもいい。夢を守って死ねるなら、それは本望だ。だが、もしあの銃で夢が、鵺燈が、やられたら?そう考えるとどうしてもあの拳銃は取り上げたい。
東「本当に死ぬつもりか?はは……っはははははっ!」
泉「……っ…」
計画的で、欲目のある奴ほど狂いやすい。優秀でもこれじゃあだめだ。
東は鵺燈の右腕には相応しくない。
なんて思ってもさすがに血が流れすぎた。諦めたくないのに……全ては俺が悪いからか?
もう一発でも撃たれれば俺はもう………。
バンッ
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