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-by.夢-
なんてことだろう……。僕は忘れていた。いや、違う。記憶を書き換えていた。
そのせいで予定が大きく変わってしまったんだ。一体いつ、いつ書き換えてしまった?
僕は知っていたはずなのに、だから、演技までして2人を追い出したのに、一体いつから……。
ガラッ
夢「……っ!」
鵺「夢!目を覚ましたのか!」
お兄ちゃん……今ならそう思える。ちょうどいいかもしれない、予定は組み替えらればいい。
今のお兄ちゃんなら……。
夢「お兄ちゃん…」
鵺「ゆ、ゆめ……?」
夢……それが僕の名前と認識はなんとなくできてる。前までの僕は捨てられる恐怖で、名前を受け入れなかったけど、結局は口だけだ。
今ならわかる。お兄ちゃんは僕を捨てないと。僕は父も兄たちも、全部知ってる。知ったんだ。
暴力の生活の中で僕は1つ1つ見たし、聞いた。だからあの計画をしようと思ったんだ。
でも何かで記憶を無くした。何かで……それが大切なことな気がするのに思い出せない。
夢「お兄ちゃん……ぼく……っ僕……っ」
鵺「思い出したんだな……。よく頑張った、お前はよく頑張った」
ぎゅっと抱き締められる。その瞬間頭の中に何かが広がった。
夢「……おにい、ちゃん?」
鵺「なんだ?」
夢「お兄ちゃんは……僕を……」
鵺「?」
まさか覚えてない?お兄ちゃんも忘れていたんだろうか?それとも別の何かに書き換えられた?
でも、絶対にそうだ。僕はお兄ちゃんが原因で記憶を書き換えた。追い出したあの日から僕は書き換えたんだ。そして徐々に忘れていった。
なのに、また再び会ったせいで書き換えた記憶が本当の記憶と入り交じって蘇り、今はこうして本当の記憶を取り戻した。
ああ、もう、忘れたままでよかったのに。何で、僕は、あそこまでされて、お兄ちゃんにここまで安心してるんだろう?
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