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鵺「ああ、道具だ。あいつがどう傷つこうがどうでもよかった。夢が、夢さえいれば……あの時の夢は最高だった。俺を求める夢に興奮したからな。なんでなんでと泣く姿も可愛かった。それなのにあいつは!夢と同じ顔で、声であんな言葉を!」
夢「わからない……わからないよ……。僕が好きなら、兄が僕と似てようが関係ないのに……なんで気にしたの?嬉しいけど、怖い……怖いし、悲しい……っ」
泉「狂ってるんだよ、こいつは……。昔からそうだ」
夢「なんでそんなこと…!」
泉「それはお前が一番知ってるだろ?」
夢「何言って……」
泉「なんだ、まだ全部思い出しきれてないのか?いや、思い出したくないだけか?まぁ、そうだよな。大好きな兄だった1人が二重人格で兄弟を恨んでる以上に、恋愛感情を抱くほどに大好きな兄が自分をストーカーしていて自分が触れた全てを無意識に殺してたんだからな」
夢「……っ…そんなこと……だって、お兄ちゃんは捕まってない…」
泉「そりゃあ、ヤクザの当主息子となりゃあ裏が勝手に手を回してるだろ」
夢「で、でも……」
ああ、夢の怯える姿はなんて可愛いんだろうな。でも、夢は笑ってるだけでいい。あいつを殺せば夢は笑うか?
鵺「夢……夢……!」
泉「!」
夢「あ……やめて!お兄ちゃん!」
泉「さすが、本家当主か。ナイフくらい隠し持ってるってか?」
鵺「……ナイフだけじゃない」
泉「な………っ」
バンッ
夢「いやだあぁあああああ」
銃が彩る真っ赤な血。汚い血。夢に触らせないようにしなければ。
これでまた夢の幸せが近づいた。
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