ある女性

6/7
前へ
/7ページ
次へ
「警部」 「どうした?」  新聞を読んでいた警部が部下に話しかけられ顔を上げた。 「例の連続殺人犯は放っておいて大丈夫なんですか?」 「大丈夫だ。彼女の治療を行っているのは上原って医者は有名な人物だ。俺とは違ってキャリア組なんだと。預けておいて、大丈夫だろう」 「ですが、万が一、上原医師を殺すようなことがあったら・・・」 「大丈夫だって、記憶が戻ったからって、すぐに殺され・・・」  タバコをふかせたいた警部はハッとして立ち上がった。 「どうしたのですか?警部」 「忘れていた。彼女の殺害の手口を上原医師に伝えておくのを」 「手口ですか?」 「連続殺人犯だからって、妙な勘違いを起こしていないけばいいのだが・・・。今から電話しても間に合うだろうか。彼女の殺害の手口は『毒殺』なんだ」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加