第1章

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準々決勝。 立勝大付属戦。 星花先攻で試合が始まった。 初回、石川が出塁し須田が送るも、良太と飯野が凡打。 立勝大は小池に三者凡退をくらう。 仕合は静かな立ち上がりになった。 「俺は今日打たれる気がしねー!あとは俺が打って勝ーつ!」 「んなこと言って、途中から崩れんじゃねーぞ。」 「任しとけ、ここからは俺の三振ショーを見せてやるぜ!彩加ちゃん、しっかり見ててね。」 「本当にこれがなきゃーいいんだけどな…」 渉にあきれた良太は打席の西尾に目をやった。 その後、星花は毎回ランナーを出し3塁までいくも得点なし。 一方の立勝大は、小池の前に2安打とおさえられていた。 両チームとも無得点のまま8回をむかえた。 星花は2番須田からの好打順。 初球の岩波のカーブをセンターへ運ぶ。 その後須田は盗塁を決める。 良太は見事送りバントを決め、ワンアウト3塁。 4番の飯野、5番の西尾と続くチャンス。 しかし、立勝大は満塁策をとり、ワンアウト満塁で今日ノーヒットの小池。 「小池!、犠牲フライでも1点だぞ!」 「ゲッツーはダメだぞ!」 チームメイトが必死に声援をおくる。 しかし、この声は小池に届いていなかった。 小池は1球目を大振りする。 それを見ていた彩加が身を乗り出す。 「小池くーん!、打ってー!」 (聞こえたぜ、勝利の女神の声が!) 小池はこの試合初のヒットを打った。 3点タイムリーツーベース。 打ったのは失投。 岩波はここまでの球数が120を越えていて、疲れがあった。 終わってみれば6-0で星花の勝利だった。 次は準決勝の須磨高校との対戦になる。
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