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話は少々さかのぼる
良太は星花高校へ入学し、野球部へ入部した。
野球部の成績は32年前に1度だけ甲子園出場があるだけで、最近は予選2回戦止まりが最高と良くない。
良太が決めた理由は、「無名校を強くする!」ということだった。
しかし、この野望はすぐさま崩れることになった。
入部してすぐに良太は骨のある新入部員を見つけた。
小池渉(コイケワタル)。左腕の投手で、現エースの新井清を楽に越えるピッチング。
須田俊(スダシュン)。名門シニアの3番バッター。名門校に進学していないのがおかしい。
石川拓実(イシカワタクミ)。足が速く、1番バッターの素質がある。
その他、滝広貴(タキコウキ)、飯野康介(イイノコウスケ)、西尾篤史(ニシオアツシ)、長島健(ナガシマケン)、中田智大(ナカタトモヒロ)と豊富な新入部員が集まった。
しかし、新井はエースで4番のままだった。
新井の親は新井工業の社長で、部品や練習着などを提供しており、監督はそれに従うしかなかった。
そのため、新井のエースで4番は絶対だった。
良太は新入部員8人と監督に講義をしに行ったが、変わることはなかった。
この講義が良太達をどん底に落とすことになった。
講義の事が新井の親と息子の両方の耳に入り、9人は2軍送りとなってしまった。
良太達は、1軍を追い出す試合を考えたが、試合すらさせてもらえなかった。
良太達が3年になれば、新井は卒業していく。
リスクは十分にあるが、良太達はその間に実力をつける方法をとった。
裏で練習、裏で練習試合をして、実力を伸ばしていった。
2年の秋季大会は監督の怯えから出場できなかった。
良太達は3年生になり、前の監督は転勤したため、佐野一郎という新人教師を監督に、良太達の最初で最後の夏が始まった。
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