第1章

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この良太の考えは間違ってはいなかった。 1回戦目の入川高校。 初回は飯野のツーランを含め6点、2回にも5点を入れ、3回に4点目を取ったところで入川高校が棄権。 小池は6人の打者に5三振と完勝だった。 2回戦の笠山高校も3回の途中で棄権。 13-0の完勝。 3回戦目の吉井高校は滝、4回戦目の立花高校は須田がそれぞれ先発。 吉井高校は12-1、立花高校は10-1と勝利。 準決勝へと進出した。 良太達は部室で準決勝相手の立勝大学付属高校の試合ビデオを見ていた。 立勝大は打たせて取る野球が得意で、守備が堅い。 その反面バッティングを苦手としており、ここまで1試合で1、2点しか取れていない。 相手チームが先制点に焦り、守備面でミスが出るというケースが多かった。 先発は2試合ぶりに小池になった。 「おい!小池、しっかり投げろよ!」 良太は怒りを込めてボールを返す。 「痛ってーな。スライダーかかるかなーと思ってさ。」 「スライダー?んなもんいいからしっかり投げろよ。」 「俺にスライダーがつけば、鬼に金棒だろ?」 小池は懲りずにスライダーを投げる。 といっても全く変化はしてなく、ボール球だが... 「菊池くん、小池くんの調子はどう?」 山戸が良太に近づいてくる。 それに気づいた小池が近づいてくる。 「彩加ちゃん!まかしといて、この俺のスライダーで...」 (いつになったら練習始まんだよ) 愛想笑いをしている山戸をおいて、良太はその場から立ち去った。
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