床上手

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数年前に働いていた職場での出来事。 その当時、職場の皆の間で僕に「好きな女性のタイプは?」と聞くことが、やたらとブームになっていた。 何故かと言うと、僕はそう聞かれると、決まって「床上手です」と答えていたから。 職場の皆さんは何故かそれがツボらしく、何度も聞いては、何度もそれで笑うんです。 ひどい時は1日に3、4回ぐらい聞かれてましたね。 …もちろん僕も本気で言っていた訳じゃないですよ? ネタです。 …まぁ、もちろん嫌いじゃないですけどね。 床上手。 そして、ある日の昼休み。 上司である、村上さん(仮名)が皆の前で、例のごとく聞いてくるんです。 村上さん「タカハシー、好きな女性のタイプは?」 なんか、もう…ちょっとしたパワハラですよね。 若い女の子も何人かいるんですよ? まぁ、そんな事には屈せず、僕も例のごとく答えます。 僕「床上手です!」 村上さん「アッヒャッヒャ!床上手だってよ!アッヒャッヒャ!聞いたか?高木ちゃん(仮名)!アッヒャッヒャ!」 おいおい…。 誰にフッてんだよ! 高木ちゃんとは、僕の同期でタメの女の子。 そして、かなり下ネタが苦手。 そして、かなりのド天然。 …よりによって、なんで高木ちゃんにフルかねぇ…。 もうこれ…セクハラじゃん。 僕は恐る恐る、高木ちゃんに視線をむけ、高木ちゃんの反応を確認した…。 困ってんだろうなぁ…。 なんて、思ったのだが、何故か高木ちゃんはニヤニヤとしながら、僕の事を見ていた。 …え? なんだその反応は…? そして…高木ちゃんはこう言ったんです。 「タカハシくん、所ジョージがタイプなのぉ?」 …もう、なんて言っていいかわかりませんでした。 あの時はもう、とりあえず笑っとけって感じでしたね。 この話を何人かにしたんですが、皆決まって、「その高木ちゃんって子は上手くセクハラをかわしたんだよ」なんて言うんです。 でも、それは絶対に違うと思います。 高木ちゃんはそんなに器用な子ではありません。 高木ちゃんって子はそんな子なんです。
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