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体のラインを隠しているようなフード付いた裾の長い服を着ているせいか、どちらとも付かないような顔立ちをしているせいか、性別の判別は外見からでは全く付けられない。
それが後ろを振り返ると、この大きな砂時計を中心に大小様々な大きさの砂時計が並んでいた。
まだ上に砂が多いものから、もうすぐ砂が落ちきってしまいそうなもの。
砂の落ちるスピードが緩やかなものから速いものまで様々だった。
感情が全く読み取れない深紅の瞳で一つ一つ見ながら歩いていると、ある一つの砂時計の前でその歩みは止まった。
その砂時計の上部にある砂は残り少なく、今にも無くなりそうだった。
それがその砂時計に触れた瞬間、偶然にも最後の砂が流れ落ちた。
まるでそれを合図にしたかのように、砂が流れ落ちた砂時計は突然光と共に消えてしまった。
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