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放課後、生徒玄関で待っていた。 「ごめん!...待った?」 「ううん。大丈夫...ん?」 涼介の腕に何か違和感を感じ、腕を掴んだ。 切った後ではないが、何か傷が何個か... 「何かした?」 「何って...」 「正直に言えよ!」 「!!」 俺の声にびっくりしたのか、みんなが振り向く。 俺だって、なんでこんな大きな声出して怒ってるのか分かんないけど、涼介の態度にカチンと来た。 「....カッターは俺が預かってるはずなのに、...傷、なんでつけるの?」 「...なんか...ムシャクシャして...爪で...引っ掻いた」 「はあ..」 思わずため息が出た。 道具なんて取り上げたって、体の一部に、道具は存在している。 俺の計算ミス... 「....ごめんなさい..」 「..いいよ。ごめんな?怒って...」 「...ううん。その方がよかった」 「そっか...じゃあ帰ろ?」 「うん...」
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