1.兄

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放課後、生徒玄関で待っていた。                                      「ごめん!...待った?」                                         「ううん。大丈夫...ん?」                                        涼介の腕に何か違和感を感じ、腕を掴んだ。                                           切った後ではないが、何か傷が何個か...                       「何かした?」                         「何って...」                                「正直に言えよ!」 「!!」                     俺の声にびっくりしたのか、みんなが振り向く。                                  俺だって、なんでこんな大きな声出して怒ってるのか分かんないけど、涼介の態度にカチンと来た。                      「....カッターは俺が預かってるはずなのに、...傷、なんでつけるの?」                         「...なんか...ムシャクシャして...爪で...引っ掻いた」                          「はあ..」                                思わずため息が出た。                               道具なんて取り上げたって、体の一部に、道具は存在している。                   俺の計算ミス...                              「....ごめんなさい..」                                           「..いいよ。ごめんな?怒って...」                                      「...ううん。その方がよかった」                                           「そっか...じゃあ帰ろ?」                     「うん...」
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