1.兄

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「ただいま」                                       家には誰もいなかった。                                  「出かけてんのかな...」                                  リビングに行くと、メモが残されていた。                            『今日は帰りが遅くなります。先に食べててね』と書いてあった。                          「いないの..?お母さん...」                                弱弱しい声で、そうつぶやいた。                                    「うん。だから、なんか俺らで作って食べなきゃいけないんだよ」                                    「そっか...」                      「とりあえず、服着替えようぜ」                      二階に上がり、俺たちの部屋に入った。                                       「トイレ..行ってくる」                                         涼介はそういって部屋から出た。                       俺は、着替えを済ませていた。                    ふと、俺は涼介の学習机の、引き出しを開いた。                             大量の睡眠薬と、カッター。                               異常なようで、異常ではない。                 睡眠薬なんか有ったって、あまり使ってない。                          しかも、カッターは量じゃなくて、異様な...                            だって、今まで使っていた、カッターを、血で錆びたカッターを残してあるなんて、異常だ。                     でも、逆にこれを全て捨てたら―。  
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