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「ただいま」 家には誰もいなかった。 「出かけてんのかな...」 リビングに行くと、メモが残されていた。 『今日は帰りが遅くなります。先に食べててね』と書いてあった。 「いないの..?お母さん...」 弱弱しい声で、そうつぶやいた。 「うん。だから、なんか俺らで作って食べなきゃいけないんだよ」 「そっか...」 「とりあえず、服着替えようぜ」 二階に上がり、俺たちの部屋に入った。 「トイレ..行ってくる」 涼介はそういって部屋から出た。 俺は、着替えを済ませていた。 ふと、俺は涼介の学習机の、引き出しを開いた。 大量の睡眠薬と、カッター。 異常なようで、異常ではない。 睡眠薬なんか有ったって、あまり使ってない。 しかも、カッターは量じゃなくて、異様な... だって、今まで使っていた、カッターを、血で錆びたカッターを残してあるなんて、異常だ。 でも、逆にこれを全て捨てたら―。
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