1.兄

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家を出て、学校へと向かう。                                     起きた時に比べ、さっきよりも多く降り始めた。                                 互いに会話をしようと思っても、聞こえずらいから、あまり話さない。                              傘から落ちた雫が、涼介の肩に落ちている。                        「冷た...!」                        はっきりと、でも弱弱しく。      学校に着いた頃には、靴の中はべたべただった。                               案の定、替えの靴下を持ってきていたため、困ることはなかった。                               また、涼介と別れて教室に入った。                                      ―特に大したことのない、この日々の中俺は、世の中で言う『青春』を終わらせてしまうのだろうか―。   
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