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一つは、その圧倒的な身体能力を生かし、数々の驚異をしり除いて周辺国を吸収していった『剣の国』。
一つは、その圧倒的な精密性と正確性を持ってして、自身の被害を最小限に周辺国を吸収していった『銃の国』。
両国間の覇権争いは三百年続いた結果、両国とも貧困し、国も国民も衰弱した。そこで、一つの平和協定が生まれた。
それは、一つの学園を作るというものだ。
その学園は『ダブルガーデン』と呼ばれた。
剣や銃の国を問わず両国の学生が通い、その両国を知る者達に新たな世界を託そうというものだ。
平和が欲しい。
しかし、今の自分たちでは相手国と仲良くできそうではない。そう考えた大人達が、未来を子供達に託した形である。
始めは反論が大きかったが、その反論も両国の力ある政治家達によって寄せ付けず設立された。
その学校の中身を知ることは一般の国民にはできない。それは、国民の反論を最低限に留めると共に、両国としてもその試験的に開始した学園の効力を見極めるためである。
もしこの学園が運用するのに、将来的に無意味だと判断されればその瞬間、世界大戦が始まる。
そこにお送り込まれた子供達は、まさに国の未来を背負って学園に通っているのだった。
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