一章 ちょっとまってくださいよ

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周りを見てみると遥と一匹の狐がまだ眠っているようだった。畜生、俺ももう少し寝たかった。 「すまなかったな結城 理人。俺の部下が迷惑をかけた上に粗相をして」 理人「部下って誰だよ」 「貴様をずっとつけていた女だよ。名はルリア。元々悪魔だったせいか性格が歪んでいてな。 新田 遥を連れて来いと言えばお前に一目惚れし、 連れて来たと思ったら連れて逝ってるしで散々だ」 へぇー。ストの本名ってルリアっていうのか。これから「ルー」とか言って呼んでやったら喜ぶかな。 つーか話を聞く限りじゃ俺完全にとばっちりだよねそうだよね。ルーが遥を連れて来る予定だったのを俺を道連れにしたのか。 俺が何をしたっていうんだ。理不尽すぎる。 「そこでだ。元々新田 遥に送るはずだったものと同じものを貴様に送ろうと思ってな。特別に呼び出したのだ」 理人「じゃああの狐は何だよ」 「新田 遥と結城 理人と同じような存在と考えればいい。要するに突然変異体だ」 やっぱ俺っておかしかったんだ。両親殺人鬼の上に突然変異してるとかすげえ遺伝子してやがる。 理人「ルリアはどこだ?話がしたい」 「奴なら今、絶賛処刑中だ。何せ、なまじ不死なものでな」 理人「今すぐここに連れて来い。礼がしたい」 「よかろう」 男がそう言うと、俺の目の前にボロボロのルリアが突然現れた。 ……さっきの悪魔って単語、わざとスルーしたのに引きずらせるか。いい根性してやがるよこの変人。
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