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「勇太、待ちなさい」
玄関まで母さんが小走りで走ってきた。その手には弁当が入っていると思われる風呂敷が握られていた。
「お弁当、忘れてるわよ」
「お、サンキュー」
俺は少し甘えて弁当を鞄に入れてもらうと鞄を背負い直した。
母さんは優しく微笑み、
「気をつけて行ってらっしゃい」
そう言うと母さんは手を打ち、
「時間はまだいいの?」
俺は慌てて携帯を取り出した。携帯の画面は無情にも7時58分を表示していた。
「やべっ!もう8時じゃん!?行ってくる!!」
俺は大地を蹴る様に走り出した。
「俺の高校生活スタートだ!!」
とかかっこいいこと言ってても頭の中は遅刻しないよう祈っているのだった。
プロローグfin
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