第1章 四面楚歌な教室

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「ですよねー」 やっぱりな。いや、期待はして無かったけどさ。 「どしたの?」 俺は首を横に振り名を名乗った。流石に、この展開で自分が名乗らないのっておかしいし。 「俺は奥田勇太って言うんだ」 「……へぇー、よろしく!」 そう言って笑い手を出してきた。 一瞬肩が強張った気がしたが……気のせいか。 「よ、よろしく」 俺はぎこちなくその手を握り握手を交わした。 というのも、俺は今まで女の子と接したのはほとんど無いんだ。仕方がないな。うん。 握った木村さんの手は軟らかく、俺より体温が高いのだろう。その手は少し温かかった。 こんな事で心臓が高鳴るなんてな。くっ。 それもこれもみんなこの女の子――いや。 木村さんが可愛すぎるのがいけないんだ。可愛さは罪だな。
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