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「ユズ?キィ?アスカ?
お前達、何処の国の者だ!?」
「ああ?日本って言ってんだろハゲぇ!
姉御が入るって仰ってんだよ、入れるってのが礼儀作法じゃねえのか?」
緩やかなウェーブのかかった茶髪の女が、ファイヴァル国の入国管理官に言った。
禿頭の管理官は自分の頭を手で触り、顔を赤くしている。
「やめろアスカ」
「いや、しかし」
「やめろ」
「はっ、失礼しました」
背の高い女はアスカを下がらせるとフードを脱いだ。
「すまない、私の連れが。
貴国への入国を認めて貰いたいのだが、先の無礼は内密にお納め願えないか?」
フワリと長い黒髪が垂れ、妙齢の女の顔が現れる。
かなりの美人だ。
ほぉ、と鼻の下を伸ばした管理官は
「タダじゃ、ダメだ」
「どうしろと?」
眉間に皺を寄せて問う女に向け、
「ネェちゃん、二人とも上物だなぁ」
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