1.光と影

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「て、手伝います」 「え?」 「一緒に集めちゃいましょう」 「……すみません」  その姿を見て無慈悲な思考を撤回。床に膝をついてノートや教科書に手を伸ばした。 「はい、終わったよ」 「ん…」 「危ないから電車の中は走っちゃダメだからね。分かった?」 「……分かった」 「よし。良い子だ」  広い集めると女性が男の子を諭す。帽子の被さった頭を撫でながら。 「バイバ~イ」  そのまま男の子は手を振って隣の車両へと移動。立ち去る背中を優しく見守った。 「あの、ありがとうございました」 「え?」 「手伝ってもらっちゃって」 「いえ、そんな…」  2人きりになると女性からお礼の言葉が飛んでくる。丁寧に頭を下げる動作と共に。 「優しい人ですね。困ってる子を助けてあげられるなんて」 「……そんな事はないです」 「謙遜しなくても。少なくとも声をかけてきてくれて私は嬉しかったですよ」 「は、はぁ…」
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