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「すみません。それじゃ」
「あっ、ちょ…」
声をかけるがタイミング良く車両が停車。女性は逃げ出すように開いたドアから飛び出して行った。
「……涙」
何が起きたのかは知らない。平日の夕方にどうして私服で電車に乗っていたのかも。
再び車両が動き出しても女性への気掛かりが止まらなかった。後を追いかけなかった事を後悔するぐらいに。
「んっ…」
心の奥底から不思議な物が湧き出してくる。今までに経験した事の無い感情が。同時に脳裏には優しく微笑みかけてくれた女の子の顔が色濃く焼き付いていた。
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