2.渇きと潤い

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「……うぐぐっ」  布団から手を伸ばして時計に手をかける。ゾンビのようにベッドの上を這いずって。 「もう朝か…」  アラームを止めると自身が置かれた状況を認識。カーテンの隙間から射し込む朝日を顔に浴びた。 「……ふぁ~あ」  寝返りと共に口から大きな欠伸を放出。ついでに指先で頬を擦りながら。  夢から覚めたハズなのに違和感が満載。まるで現実から引き離されたような感覚が意識の中に漂っていた。 「う~ん…」  恐らく寝不足が原因なのだろう。学校からの帰宅後に睡魔に襲われたので1時間ほど仮眠。結果、夜になかなか寝付けず全身にダルさを付加させていた。 「よっ……と」  このままでは二度寝してしまいそうなので重い体を起こす事に。腕を伸ばして窓からの光を遮断していたカーテンをスライドさせた。
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