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「そんな奴いたかな…」
「いいから早く。母さん、手が離せないんだから」
その内容は再び二階に向かえという物。ここにはいないもう1人の家族を起こしに行けという命令だった。
「やだよ、そのうち起きて来るでしょ。それに腰が痛くて動きたくないし」
「あの子、目覚まし鳴っててもなかなか気付かないから。だからアンタが起こしに行ってきて」
「どうしていつもいつも…」
文句を垂らしながら立ち上がる。今しがた歩いて来たばかりの廊下を目指して。
「あ~あ…」
両親が再婚した際、もう1人だけ家族が増えた。1つ年下の女の子が。
世間一般的に妹と呼ばれる生き物。ただし特に可愛くもなく、美人でもない顔の持ち主。おさげ髪で田舎にいる中学生のような風貌だった。
「たまには先に起きててもいいものなんだが…」
階段を一段ずつ上がっていく。再び転落しないように注意しながら。
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