2.渇きと潤い

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「やっぱり! 何かおかしいと思ってたんだよね、このスケベ!」 「……鼻をつまんだだけだってば」  続けてこちらにも接近。ジョークを挟んだ挨拶を済ませた。 「いただきま~す」  それから家族4人でテーブルを囲んで食事を開始。サラダや目玉焼きを次々に口の中に放り込んでいった。 「香織。アンタ、ちゃんと宿題やった?」 「あはは。やるわけないじゃん、私が」 「前からやりなさいって言ってるでしょ! 楽をしてたらその分だけ後で自分が苦労するのよ?」 「う~ん……だってまーくんが夜に部屋に来て変な事しようって誘ってくるから」 「人のせいにしないでくれ。ていうか嘘をつかないでくれ」  他愛ない話題で大盛り上がり。義理の家族だがお互いの間に壁は無い。 「そういえばアンタ達に大事な話があるんだけど」 「え? 何?」 「ん~と、説明するの面倒だから帰ってからにするわ」 「なんじゃ、そりゃ」  母親が意味深な台詞を投下。返事を待つが肝心の内容は濁されてしまった。
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