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「え? 君、誰?」
「ふざけんなっ! 俺だよ、俺!」
振り返った先にボサボサ頭の男子生徒を見つける。中学時代から付き合いのある友人だった。
「おはよ、颯太。今朝も自転車とばしまくったみたいだね」
「おう、まぁな。ところで雅人も今来たのか?」
「そうだよ。家出るのが遅れちゃってさ」
「あぁ、俺もだ。強烈な金縛りのせいで寝坊したから全力でペダル漕いできたわ」
「凄いね。もう高校入ってから80回ぐらい金縛りにあってるじゃん」
彼は先生に遅刻の理由を聞かれると毎回『金縛りにあった』と返答。そのせいでクラスでのアダ名が悪霊マンになった事がある。
もちろん一連の発言内容は全てジョーク。金縛りはただの言い訳だった。
「そういえば英語の宿題やってきた?」
「ちゃんとやってきたよ。辞典で調べながらだから時間かかったけど」
「あ、なら後で写させてくれよ」
「また?」
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