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「えぇ……僕がですか?」
「じゃあ任せたわね。重たいけど頑張って」
「あ、ちょ…」
その正体は中年の英語教師だった。用があって話しかけてきたらしい。
渋る反応を見せるが意識してもらえず。一方的に雑用を押し付けられてしまった。
「……仕方ないか」
面倒くさい指令を受けてしまったが無視するわけにもいかない。教室へと戻ろうとしていた足の動きを階段の方に向けた。
「ワープとか時間の巻き戻しが使えたらなぁ…」
高校生にもかかわらず小さな子供のように漫画や映画の主人公に憧れていた。格好良い必殺技だけではなく、身勝手で自由奔放な性格に。
授業をサボったり、先生や上級生に反抗的な態度をとったり。へたれな人間にはとても真似出来ないような悪行の数々。馬鹿にしているわけではなく純粋な理想だった。
自身には無いスキルを持ち合わせているからこそ羨望の眼差しで見ていたのだろう。そんな生き方をしているキャラクター達を眩しく感じていた。
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