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「ひいぃっ…」
そしてどうにかして階段までやって来る。任務完遂にとって最大の山場へと。
転倒しないように気を付けるが荷物が邪魔で前が見えない。窮屈な体勢での階段歩行は困難を極めた。
「うわっ!?」
「きゃっ!」」
何とか下り終えるがそこでハプニングが起こる。人との衝突が。
「……いちち」
手や足に僅かな痺れが発生。落下した荷物による手荒い攻撃だった。
「あ…」
不運を嘆きたいが今気にかけなくてはいけないのは自身の体の事ではない。すぐ前で同じように転倒している女子生徒の容体だった。
「だ、大丈夫だった!?」
「いっつぅ…」
「ごめん。前をちゃんと見ないで歩いてたから」
「……最悪」
「すいません…」
声をかけるが睨まれてしまう。親切心を突き放すような台詞と共に。
「どうしたの?」
「ん?」
怯んでいると近くにいた別の女子生徒が接近。衝突相手同様に全く面識の無い人物だった。
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