25.春と空

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「じゃあ、そろそろ帰るわ」 「あ、もうそんな時間なんだ」 「今日は母ちゃん達と飯食いに行くんだよ。だから早めに行かないと」  数時間が経過した頃、コントローラーを床に置いた颯太が徐に立ち上がる。彼の言葉でゲームを中断する事にした。 「途中まで送っていくよ」 「いや、良いって。1人で歩いて帰るし」 「けど残っててもやる事ないからさ」 「悪いな。なら階段の所にいた女の人にだけ挨拶していくわ」 「え? 今、家には僕しかいないけど」  ゲームとテレビの電源をオフにして自宅を出発。久しぶりに友人宅までの道のりを歩いた。 「ここって前は何があったっけ?」 「さぁ……思い出せないや」  途中、見慣れないコンビニを発見。気付かないうちに新しく建てられたらしい。2人して以前の情報を絞り出したが出てこなかった。 「この辺りで良いや。んじゃあな」 「うん。また遊ぼうね」 「おう。雅人もメイド喫茶のバイト頑張れよ」 「違うって…」
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