1.光と影

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「へっくし!」  1日の授業が終わると真っ直ぐに学校を出る。電車の中で豪快なクシャミを炸裂させた。 「あぁ…」  耳鳴りがやまない。ついでに窓から射し込む西日に目が眩む。  席は空いていたがドア付近に立っていた。向かい相手の視線を気にせず景色を眺めたくて。 「ん…」  毎日の通学には電車を利用している。そして数少ない友人達とは教室を出る瞬間に別行動。だから下校時はいつも1人で乗車していた。 「バイトでもするべきかなぁ…」  入学してから1年以上が経過したのに夢や目標を持っていない。社会経験を積むような行為にすらチャレンジしていない。ひたすら怠惰な日々を送っていた。 「うわっ!?」 「ん?」  感傷に浸っていると意識を引く光景が視界に飛び込んでくる。ランドセルを背負った男の子が床に転倒する姿が。 「うぇぇ~ん」 「また派手にやったなぁ…」  歩いてる時に車両が揺れてバランスを崩してしまったらしい。ついでにフタが開いた鞄からは中身が飛び散ってしまっていた。
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