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「私と付き合ってみてはいかがでしょうか? 私も先輩も楽しいと思いますよ。あ……先輩が楽しいかどうかは想像にすぎませんが、私が楽しいことは確実ですので。あ、スミマセン……だから、こうして告白に踏み切っているのですよね。私、何を言っているのでしょう。少々、緊張しておりまして……昨夜など6時間しか寝ておりません。あ、一般的には6時間で十分であるのかもしれませんが、私の平均睡眠時間は9時間ですので、そこはご理解ください。つまり、何が言いたいかと端的に言いますと、その差である3時間は、先輩のことに想いをはせていたことになりまして、それだけ私は本気だと、さり気無くアピールさせていただいている訳です。それでは、どうぞ」
「ど、どうぞ?」
「お返事です。あ、先輩の口下手は理解してますから安心してください。実は、私……そんな先輩も良いと思ってますから(赤面)。『イエス』か『ノー』で簡潔に答えていただければ結構ですので。それでも、出来れば私が感動するような言葉であればと期待しないでもありません。なにぶん、私としても初めての告白なのですから……あ、スミマセン。『イエス』と決めつけたような言い方をしてしまいました。もちろん、先輩の正直なお気持ちを、お答えくださいね。それで、私が傷ついたとしても、それは先輩の気になさることではないのですから。あ、ちなみに──」
「待て!」
『後輩』の両肩をガッとつかみ、『俺』は、ようやく彼女の言葉を止めた。
まったく……よくも冒頭から喋り倒してくれやがったな。
この物語は、俺の語りによって進むってのに……いきなり出鼻を挫かれてしまった。
それにしても……この俺に
…………告白!?
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