告白に際して想うこと

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咄嗟に、『後輩』の両肩に手を置いてしまったが…… 奴は、何やらモジモジし始め……確実に期待をふくらませてしまった雰囲気をかもし出している。 頬を染めて、ウットリとした視線を向けやがって……正直、コッチまで赤面してしまう。 まあ、コイツが話し始めると面倒なので、今の内に最低限の説明をしておこう。 俺にも一応の名前がある── 玄江澄人(くろえ すみと) 普通レベルの高校の普通科に通い、二年目に入った。 この物語が、どのように転ぶのかは定かではないが、主人公が高校二年という設定は、都合がいい。 恋愛に際しては、相手に、後輩、同級生、先輩とのバリエーションを有するし、また近々に受験を控えている訳でもないことから、恋に遊びにと気楽さをアピール出来るのだ。 いや、俺は事実にして高2なので、設定云々は気にしなくても大丈夫だ。 何か別の意識が言わせたに過ぎないのだから……。 話が戻すが……俺に、ついては、当面、これくらいでいいだろうか……? と言うのも、内面的なことについては、読み進めていけば、わかっていただけると思うのだし…… 外見的な部分に至っては、自分でどうこうと言うことでもあるまい。 『至って普通』──そう言うのは楽ではあるが、自分の外見を『普通』と称するのは、実は結構の自信を伴ってのことだと、俺は感じている。 考えてほしい……自分のことを『カッコイイ』と言える奴は、ほとんどいないのだ。 例え内心、自分の外見に自信がある場合でも、実は『普通』と答えるのが通例。 だからこそ、自他共に『普通』とされる奴が安易に『普通』を名乗ることには危険が生じると俺は考えている。 …………どうでもいいことを長々と語ってしまった。 こんなことに時間を割いている内に…… ヤバい情況になってしまっている……! 俺の目の前の『後輩』が…… 俺に告白らしきものをしてきた、その『後輩』が…… 今…… その円らな瞳を、キュッと閉じてしまった……。 こ……これは!?
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