宵闇桜

2/10
前へ
/13ページ
次へ
まだ肌寒い四月の夕暮れ、私は一人で咲き誇る桜の木々の下を歩いていた。 賑やかな人の群れを避け、一人になれる場所を探す。 早く夜が降りてくればいいのに。 宵闇が世界を覆い隠してくれたら。 そうすればもう私は、涙をこらえずにすむのに。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132人が本棚に入れています
本棚に追加