宵闇桜

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勤めている会社のお花見の席で、入社以来ずっとずっと好きだった人が結婚を発表した。 相手は同じ課の私の同僚で、私の親友。 もちろん私も、二人のことは知っていた。 付き合い始めてから今日まで、私は二人を見守って来た。 彼女からうまくいってるって話を聞くたび、笑顔で『良かったね』って言ってたけれど。 本当は、つらくて……つらくて。 でも、それでも私は、彼を好きでいることをやめられなかった。 優しくて、いつも穏やかな顔で笑う彼のことが大好きだった。
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