格闘家、「ミカエル」

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やや毛深く、筋骨隆々とした肉体。身長は7フィートをやや下回るくらい。体重は200ポンドはあろうかという、スキンヘッドで、射抜くような青い瞳の大男に睨まれたら──それもジャム知らずで有名なカラシニコフ・ライフルのポイズン・ブレットに、あるいは凶悪な切れ味を誇るシャベルに狙われて──、並みの人間は恐怖心に押し潰されるかも知れない。 だが彼はロシアン・マフィアの一員でもなければペツナズの隊員でも、まして悪名高いオモンのメンバーでもないことを、記しておかねばなるまい。 信じがたい話かも知れないが、この男こそ、今まさに、私が記録している、このあてのない冒険において、最も重要な役割を果たすであろう「ミカエル」なのだ。
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