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「なんかペンないのー?」
「え、ちょ、なにしてるんですか!?」
ガサガサとやり始めた先生の手元を見れば、私の筆入れを漁っていた。
「ボールペンとかないの?」
先生のものではないはずなのに…。
先生は、我が物顔で私の筆入れから次々とペンを出していく。
「あります!貸しますから、待ってください!」
よくわからないけどなんだか恥ずかしくなって、先生から筆入れを奪い取る。
「えっとー…、じゃあこれでいいですか?」
「うん、何でもいいよー」
漁ってた人が言う言葉かっ。
心の中でツッコんでみる。
「はい、どうぞ」
「サァンキュー」
私が先生に貸したのは、自分の好きな色を何色か選んで入れられるタイプのペン。
「おぉ…色んな色あんねぇ…」
渡された先生は、カチカチ、ペンを出して書いてみては他の色を出して書き…を繰り返して喜んでいる。
そんな先生は本当に20代後半の大の大人には見えない。
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