問1

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「今ね、48ページの問12やってるんだけど」 「は、はいッ!すいません…」 火照る顔をうつむいて隠しながら、急いで教科書を開く。 「ん、わかんなかったら言ってね」 それだけ言うと、古賀先生はほかの生徒の様子を見に行ってしまった。 うわ…。 古賀先生と初めて話した…。 顔の熱がなかなか引かない。 指摘されたことが恥ずかしかったから? カッコイイ先生を間近で見れたから? なんだか心臓もドキドキしてきた。 落ち着け、落ち着け自分。 冷え性でいつも冷えている手で、頬を押さえる。 まさかこんな時に役立つだなんて。 はぁ、やっぱイケメンの破壊力はハンパないわ。 火照る頬を手で冷やしながら、私は問12との格闘を開始した。
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