問3

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テストが終わって。 1年生でいられるのもあと1ヶ月と少し。 あの質問から、先生とこれといった会話を交わすことは無くて。 淡々と日々を過ごすだけ。 ただあえて言うなら、テスト返しが怖い…かな。 あ、あとクラス替えも嫌かな。 亜紀と私は進路選択が違う。 だからもう別のクラスになることは避けられないんだけど…。 「あぁー、嫌だよぉー、夏乃と離れたくないよぉー!」 「私もだよぉ…」 あと1ヶ月。 大事に過ごさなきゃ…。 テスト返しは嫌でもやって来て。 「はい、じゃあテスト返すねー」 古賀先生もやっぱりテストを持って教室に入ってくる。 わかっちゃいるけど、この時間は好きじゃない。 「はい、向井さーん」 名前を呼ばれて、教卓にテストを取りに行く。 「はい、頑張ったね」 「え?」 そう言われて手元のテストを見れば。 「嘘ぉ…」
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