問3

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「ん?」 私の声に気付いた先生がこちらを振り返る。 「あの、ここなんですけど…」 モヤッとした問題の部分を指摘する。 「答えは同じなんですけど、やり方がおかしい気がして…」 「…ちょっと貸して」 先生が私の手からテスト用紙を抜き取り、ジッとその問題を見つめる。 「ふぅん…、わかった。放課後来て」 そう言って先生は私にテスト用紙を戻すと、さっさと教室から出ていった。 『放課後来て』って…、職員室に来いってこと? おおお、マジか!? 放課後も先生と話、出来る…? うわ、どうしよう、嬉しい…! 放課後、ルンルンした気分で職員室に向かう。 どうせ立ったままちょっと話すだけだろうけど。 それでも先生と一対一で話が出来るのは嬉しいことだ。 「失礼します、古賀先生いらっしゃいますか?」 今日は珍しくそんなに緊張せずに入れた。 「はーい、ちょっと待ってー」 先生がちょっと振り返り、背中越しに声を出した。
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