問3

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「オッケ、じゃあこっち来て」 そう言われて連れてこられたのは、いつもの質問スペース。 「はい、座って。問題貸してくれる?」 「う、あ、はいっ」 先生に促されるままに椅子に腰掛け、問題用紙を手渡す。 「で?何がどうしたって?」 眼鏡越しに上目遣いでこちらを見上げる先生。 短く深呼吸して、先生が持つ問題用紙を覗き込む。 「これです。ここがおかしいんじゃないかと思うんですけど…」 「どれどれ…」 先生は問題と解答を見比べてふんふんと頷いている。 「…あー、ホントだ。わかったわかった、そういうことね。これはー…」 謎が解けたらしく、持って来ていた紙に計算式を書いていく。 「向井さんはこうだって言いたいんでしょ?」 そうしてその紙を向けられる。 「…そうです、これです!」 先生に渡された紙には、私が求めていた答えが書かれていた。
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